
こんにちは!管理栄養士の藤井です
皆さんはバランスの良い食事を摂れていますか?
バランスの良い食事が健康に良いということは周知されていますが、『バランスの良い食事って難しい!』と思っている方は多いのではないでしょうか。
あまり難しく考えなくても、ちょっとしたコツだけでバランスの良い食事を摂っていくことは可能ですよ。
バランスの良い食事を習慣化させることで、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を予防することが出来ます。
ぜひ今日からバランスの良い食事を摂っていきましょう!
バランスの良い食事ってなに?


バランスの良い食事とは、以下のような食事です。
1日に必要なエネルギー(カロリー)を摂れている
三大栄養素のバランスが整っている
ビタミン・ミネラルも摂れている
上記の全てに当てはまる食事がバランスの良い食事といえます。
一度に全てを改善させようと思うと難しく感じてしまい、長く続けられません。そんな方は段階的に改善していくようにするとハードルが下がりますよ。


バランスの良い食事の条件をピラミッド型にしてみました。
食事改善をするとき、まずは野菜の摂取量を増やすことから始める方が多いですが、ビタミンやミネラルを補給しようとする前に、その土台の摂取エネルギーや三大栄養素のバランスを見直さなければいけません。
摂取エネルギーについては、日々の体重の増減で自分にとって多いのか少ないのかを判断できます。
人によって1日に必要なエネルギー量は違うので、ぜひ毎日体重を測定して変動を確認してみて下さい。
その次に、三大栄養素のバランスを整えていきましょう。
三大栄養素とは?理想的なエネルギー比率


三大栄養素とは、以下のものを指します。
炭水化物
たんぱく質
脂質
三大栄養素は体のエネルギーとなるもので、生きていくうえでとても重要な栄養素です。
肥満や痩せ、その他の生活習慣病を予防するためにも、三大栄養素のバランスは整える必要があります。三大栄養素には理想的なバランスがあり、日本人の食事摂取基準2020では以下の数値を目標としています。
炭水化物 50~65%
たんぱく質 13~20%
脂質 20~30%
これは1日の総摂取エネルギー量のうち、50~65%は炭水化物から、13~20%はたんぱく質から、20~30%が脂質から摂りましょうという意味です。



炭水化物ってそんなに食べても良いの!?
こう感じる方も多いのではないでしょうか。
炭水化物は悪者と思われがちですが、脳や体を動かすエネルギー源として最も重要な栄養素なため、たくさんの量が必要なのです。ただ、麺やパンなど手軽に食べやすいものが多く、摂り過ぎる事があるので注意するように言われています。
脂質だけは9kcal


栄養素によって1gに対するエネルギー量(カロリー)が違います。
先ほど示した理想的なエネルギー産生栄養素バランスはエネルギー比率のことで、単純な栄養素の重さではないので注意してください。
各エネルギー量は以下の通りです。
炭水化物 4kcal
たんぱく質 4kcal
脂質 9kcal
炭水化物やたんぱく質は1gで4kcalなのに対し、脂質は1gで9kcalもあります。
そのため、1日のうち脂質は20~30%摂って良いからといって、揚げ物のような脂質の多い料理を食べると、すぐにオーバーしてしまいます。
脂質に関しては普通に食事を摂っていれば自然と摂れるので、無理にプラスしなくても大丈夫ですよ。
炭水化物の減らしすぎには注意
まだまだ炭水化物=太るという認識の方が多いので、ごはん(白米)を抜いてしまっている方がいます。先ほどもお伝えした通り、1日のエネルギー量のうち50~65%は炭水化物から摂らなければいけないので、主食を抜いてしまうと炭水化物の不足に繋がってしまいます。
炭水化物が不足すると以下のようなことが起こります。
疲れやすくなる
判断力が鈍り仕事のパフォーマンスが落ちる
筋肉がつきにくくなる
たんぱく質や脂質の割合が増える
炭水化物の摂りすぎに注意することは素晴らしいことですが、炭水化物を減らすとたんぱく質や脂質の割合が増えるということを覚えておいてください。


このように炭水化物を減らしすぎると全体のバランスが悪くなって体に悪影響を与えます。
すぐに影響が出るわけでは無いですが、バランスが悪い状態が続くと脂質異常症や高血圧症などの生活習慣病にもつながってしまうため、炭水化物を極端に減らすことは避けましょう。
普段の食事をバランス良くするちょっとしたコツ


数字での理想的なバランスだけでなく、実際にどうしたら良いのかが一番気になるところですよね。
普段の食事のバランスを良くするコツは、定食スタイルを意識してみることです。
定食には主食、主菜、副菜、汁物が付いている場合が多いですよね。普段のお食事からこれらを揃えることを意識してみましょう。
【主食】ご飯、麺、パンなど
【主菜】肉、魚、卵、大豆製品など
【副菜】野菜、きのこ、海藻など
【汁物】味噌汁、コンソメスープなど
汁物は野菜、きのこ、海藻などを摂るためなので、副菜がたくさんある場合は無理して作らなくてもOKです!
定食メニューはハードルが高い場合



毎食定食スタイルにするなんて無理…
こう思われた方は、まずはここから考えてみてください。
かけうどんの場合
かけうどんの場合、主食はありますが主菜が無く、バランスが炭水化物に偏っている状態です。そこでたんぱく質を摂る為にエビの天ぷらをトッピングしてみると、三大栄養素のバランスが理想に近づきます。


あとはサラダや煮物などの副菜があればなおGOODです♪
カレーの場合
カレーの場合、具に入っている肉は主菜、野菜は副菜と考えてみてください。主食(ご飯)、主菜(肉)、副菜(野菜)が揃っているので、なかなかバランスは整っています。


このように丼などの具に入っている肉、魚、野菜なども主菜や副菜と考えてみると、案外簡単に食事バランスを整えられますよ。定食のように必ず4品揃えなければいけないというわけではないので、安心してくださいね。
難しく考えずに主菜や副菜を取り入れてみましょう


いかがでしたか?
バランスの良い食事を摂る為には、野菜の摂取量を増やす前に、摂取カロリーや三大栄養素のバランスを整える必要があります。特に三大栄養素のバランスが将来の生活習慣病のリスクに大きく左右してくるので、少しでも今回の食事を意識してみて下さいね。
定食スタイルが難しい場合は、トッピングに主菜や副菜を取り入れてみると簡単にバランスが整います。
量に関してはあまり難しく考えずにまずは主食、主菜、副菜を揃えることから始めてみて下さいね。



